政府は１０日、新型コロナウイルスの水際対策で停止していた外国人観光客の受け入れ手続きを再開した。観光目的の外国人の入国を認めるのは約２年２か月ぶり。当面は感染リスクの低い国・地域から入国する添乗員付きのパッケージツアー客に限定する。【写真】外国人観光客にマスク着用を求める実証実験の様子（白川郷）
１０日から観光客を対象とした査証（ビザ）発行申請の手続きが可能となった。入国時の検査・待機が免除される米国や中国、韓国、台湾など９８か国・地域からの観光客が対象。旅行会社を経由しない個人旅行の入国は認めない。本格的に来日し始めるのは今月下旬以降となる見通し。
政府は今月から入国者数の上限を１日あたり２万人に引き上げており、観光客もこの枠内で受け入れる。旅行会社の添乗員が同行し、人混みでのマスク着用など日本で行われている基本的な感染対策の順守などを求める。
コロナ禍前の２０１９年の訪日客は３１８８万人、旅行消費額は４兆８１３５億円に上った。松野官房長官は９日の記者会見で「訪日観光は我が国の経済活動や地域の活性化に重要な分野だ」と強調し、「段階的に平時同様の受け入れを目指していく」と述べた。